ようこそ町長室へ

年頭に当たって

 あけましておめでとうございます。町民の皆様には、それぞれの希望や抱負を胸に、新しい年をお迎えになられたことと存じます。
 今、世界は大きな転換期を迎えております。一昨年末に中国武漢で発生した新型コロナウイルス感染症は、世界的な大流行を引き起こしており、依然として収束の見通しは立っておりません。欧州各国では再度の都市封鎖措置に踏み切り、我が国においても都市部だけでなく地方でも大規模なクラスターが発生するなど、懸念されていた第二波、第三波の到来が現実のものとなっております。世界中でワクチンの開発が急ピッチで進められておりますが、有効性・安全性が確認されるまでまだ時間がかかるものと思われます。今後私たちは、長期にわたりウイルスと共存しながら日常生活や経済活動を送る「ウィズコロナ」の時代を生き抜いていかなければなりません。
 この前例のない事態は、社会経済のあらゆる分野に多大な影響を及ぼし、自治体は感染拡大の防止と地域経済の活性化への対応に迫られました。国は二度にわたる補正予算を成立させ、一人当たり十万円の特別定額給付金給付事業や子育て世帯への臨時特別給付金給付事業といった国の緊急経済対策事業をはじめ、地方創生臨時交付金による町内事業者への雇用維持支援や農業者への経営継続支援、学生等への生活支援、マスク等の無償配布、施設等の環境整備など町独自の対策事業を講じてまいりました。
 羽後病院においては、旧CT室の改修工事を行い、発熱者外来を設置したほか、電子カルテシステムの導入により、感染予防の管理と感染リスクの低減を実施しております。感染症拡大に伴う受診控えにより入院・外来収益が減少し、大変厳しい状況が続いておりますが、病院事業の安定化を図り、今後も地域医療の核として安心・安全な医療を提供していく所存です。
 このコロナ禍により、学校の休校や各施設の休館、スポーツ・文化活動、地域イベントの中止や自粛を余儀なくされました。国の重要無形民俗文化財である西馬音内盆踊りも例外ではなく、昭和二十年の終戦の年以来となる中止の判断となりました。地域のかけがえのない伝統行事の中止に、大変残念な思いをされた方も多かったと思います。
 かつてない閉塞感が漂う状況の中、郷土愛を育む伝統芸能の継承のため、そして交流人口の拡大、地域活力の向上につなげたいという強い思いから、八月十七日に西馬音内盆踊保存会の皆様の御協力の下、一時間にわたって西馬音内盆踊りのライブ配信を行いました。当日は多くの方々に視聴されており、モニター越しからでもその優雅で情緒あふれる踊りと軽快なお囃子の魅力を余すことなく伝えることができたものと実感しております。
 道の駅うご「端縫いの郷」については、多種多様なイベントの開催や生産者の方々と生そばを中心とした飲食部門の堅実な取組により、来場者総数が三百万人を達成するなど開業以来好調な業績を上げております。
 現在、直売所の売場面積拡張と誘客促進を図るため、「そば打ち体験場」の設置に向けた改修工事を行っております。完成後は、そば打ち体験や郷土料理教室など新しい事業が見込まれ、観光や交流施設としての中核機能の向上が図られるものと期待しております。
 昨年9月に発足した菅義偉内閣は、デジタル庁の創設を掲げており、デジタル化による行政業務の効率化が強く求められております。行政電子化を担うマイナンバーカードの取得向上を図るため、町では昨年十月末からマイナンバーカードを利用した諸証明のコンビニ交付を開始しており、デジタル化の加速に伴って今後一層マイナンバーカードの利活用が進むものと思われます。また、ICT(情報通信技術)を活用したテレワークも大きく注目されており、時間と場所を有効的に活用できることから、費用の削減や行政サービスの向上につながるものと期待されております。
 人口減少、少子高齢化の進行により、町税及び地方交付税の大幅な減少が見込まれており、町を取り巻く財政状況は一層厳しさを増しております。町では、これまでも職員の削減や事務の効率化を図ってまいりましたが、多様化する行政課題や社会経済情勢の変化に迅速に対応し、持続的に発展していくため、組織機構の再編を行いました。来年度からは新しい組織機構での行政運営が開始されることになりますが、将来を見据えた効率的な行財政運営と職員の資質向上を図りつつ、安心して快適な生活ができるよう、町民の皆様と協働しながら、まちづくりを進めていきたいと考えております。
 結びに、この一年町民の皆様が健康で充実した日々を過ごすことができるよう心からお祈り申し上げ、年頭のごあいさつといたします。
                                           令和3年1月1日
                                           羽後町長 安藤 豊